人物画の遠隔授業を終えて

こんにちは。日本画コース非常勤講師の佐竹龍蔵です。

先日、僕が担当している3年次のスクーリング科目「日本画Ⅴ-1、2、3」のa日程(本来なら東京外苑キャンパスで開講予定)のスクーリング授業が全て終了しました。 

僕にとっても受講者の皆さんにとっても初めてとなる遠隔授業でしたが、コースの先生や事務局のサポートと、何よりも受講者の皆さんのご理解と制作に対する熱意のおかげで無事に終わることができてほっとしているところです。

大学に入構できない時期もあり、課題用の動画はほぼ自宅で作っていました。
受講された方にはお馴染みの画面になったかもしれません。


授業が終わってから、今回のような非常時にどのような対応をしたのかということを記録しておく必要があるな、と考えていた時に通信教育部のブログ記事の締め切り日が近づいていたので、この場を借りてご紹介します。(締め切りはかなり過ぎてしまいました…すみません。)

僕が担当している科目の内容は、モデルを見て描く「人物写生」と、その写生をもとに日本画制作をする「人物制作1」と、その続きで作品を完成させる「人物制作2」です。
本来のスクーリング授業ではプロのモデルに来てもらい、ヌードと着衣の2パターンの写生をして、どちらかを日本画で制作するというものなのですが、今回は自宅での代替課題になったため、着衣の自画像もしくは家族などの身近な人をモデルに描くという内容に変更しました。

スクーリングと同じことができない代わりにスクーリングでは見せられないことをする、というのが個人的に決めていた今回の代替課題のテーマだったので、受講者が自宅で制作をする上で参考になるように僕自身が授業内容に沿って写生と作品を完成させて、その制作の様子を動画教材として在学生専用サイトairUに公開しました。


人物写生の制作過程です。制作過程は基本的にはスライドショー形式で紹介しました。
左から右に進んでいます。


作品画像だけではわかりにくい部分は、作業の様子を写真で紹介します。


人物制作の過程です。下地作りの重要性がわかるように制作を進めました。
左から右に進んでいます。


部分的に動画で作業の様子を紹介しました。


完成作品です。


学生への指導の方法は、「人物写生」はテキスト科目と同じように書面で添削指導をしています。添削は時間がかかりますが、作品のコピーに直接指示を書きこむので構図の修正や写生の違和感などが指摘しやすいです。
「人物制作1」は制作途中の作品写真に対して中間講評を行い、本来のスクーリング期間が終わって大学に送付された実作品に対して講評を行いました。講評は動画撮影を行いairUに公開し、自分以外の受講者の作品も含めて視聴できるようにしています。「人物制作2」も1と同じです。それ以外の指導の機会としてはメールでの質問を随時受け付けていました。 

受講された皆さんからの授業アンケートをまだ確認できていないので、今回の授業でよかった点・悪かった点色々あったんだろうなと気にはなっているのですが、3科目通して大きな問題も無く進行して完成した作品が本当に素晴らしかったので、授業としてはそれなりにうまくいったのかなと思っています。


大学に届いた作品を撮影するSAの柴田くん。
日本画コースの遠隔授業のほとんどの科目で大活躍してくれています。


各科目の最終合評は松生先生と一緒に行いました。


ただ、今回は授業の準備期間の関係でzoom導入の機会を逃してしまい、教員と学生の同時通話ができなかったのが大きな反省点です。今後、同じような状況になった時に備えてzoomも使えるように勉強しておきます。(できれば、使う機会がないのが一番いいのですが。)

今回のコロナの状況は、決して望ましいものではありませんが色んな意味で貴重な機会になっていると思います。まだまだ不自由な生活が続きそうですが、なんとか乗り越えていきたいですね。 
また大学で、学生の皆さんと直接お会いできる日が来るのを楽しみにしています。