【大学院】運筆実習と制作の様子


こんにちは。日本画コース非常勤講師の佐竹龍蔵です。
日本画コースの新年最初の投稿ということで、記事の内容とは全く関係ないですが、初詣に行った奈良の唐招提寺の写真を載せてみました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

先日、日本画コースの入学説明会SPECIALが開催されました。
大学やコースの説明だけでなく卒業生のスペシャルトークもあり、日本画コースで学びたいと思っていただけるような内容だったのではないかと思います。
今後も大学全体や日本画コースの説明会が開催されますので、大学からのお知らせをチェックしてくださいね。

入学を検討中の方にとっては遥か先のことになりますが、今回は日本画コース大学院の授業の様子をご紹介します。学部の授業については過去の記事をご覧いただくか、説明会にご参加いただけると幸いです。


日本画コース大学院のご紹介
学部の4年間相当の授業では物足りない、自分の表現や作品制作をさらに深く追求したいという方の卒業後の進路としてさらに2年間、大学院修士課程で学ぶという道があります。通学部の大学院と同じく、通信制大学院を修了することでMFA(Master of Fine Arts/芸術修士)の学位が取得できます。

日本画コースの大学院では、学部のように科目ごとに決められた課題をするのではなく、自身で定めた制作テーマや計画に基づいて自発的な制作や研究を行っています。
さらに、学部の授業では学ぶことのできなかった高度で専門的な実習を行い、日本画の知識を深め様々な技術を身につけることができます。

今回は塚下秀峰先生による運筆の授業と、学生の皆さんの制作の様子をご紹介します。大学院って何するところ?と思っている方はぜひ参考にしてみてください。


本格的な運筆を学ぶ
運筆(うんぴつ)とは文字通り筆運びと、墨の濃淡によって描く方法です。
修士1年生(修士2年生も参加可)の授業では、円山四条派の画家・塚下秀峰先生の講義と実演のもと本格的な運筆の技法を学ぶことができます。

塚下秀峰先生。手前は先生がレクチャーで描かれた絵です。

筆に含ませる墨と水の量を調整して、色の濃淡で葉の立体感を表現しています。

学生は先生が描いたお手本や資料を見ながら絵を描くのですが、そのお手本は完成した作品だけではありません。
塚下先生が学生の目の前で即興でお手本を描いてくださるので、完成した絵では分かりにくい制作の過程や筆の動かし方、筆に含ませる墨と水の量まで実感として知ることができます。

学生の席に座ってお手本を描いています。

学生と先生、1対1の贅沢な実演です。教室の壁にもお手本がずらりと並んでいます。

様々なモチーフの絵がお手本として用意されています。

何度も繰り返し描くことで筆運びや墨の濃淡の感覚をつかんでいきます。



制作テーマや表現方法の追求
運筆の授業の他にも絹本制作や裏打ち、古典技法の実習など、様々な授業がありますが、大学院で最も時間をかけて取り組むのが個人での制作と研究です。

大学院での作品制作は、科目ごとに課題が定められていた学部とは違い、作品の内容やサイズ、制作する枚数など全てが自由となっています。
スクーリングに来る学生の皆さんがやっていることもばらばらなので、教員の指導も一人一人に応じて違ったものになります。

2年間という限られた時間の中で、さらに通信制の場合はほとんどの制作を自宅で行うということもあり、スクーリング授業に来られる学生の皆さんは熱意にあふれています。

制作の様子。緻密な描写で大作を描かれています。

こちらの方は絵絹に描かれています。大学院では絹本制作の授業も行います。

こちらの方は、上げ写しで骨描きをしています。

大作に取り組んでいます。

大学院になると授業中は常に張り詰めた雰囲気かと言えばそういうこともなく、ときには学生さん同士や先生とおしゃべりもしていたり、学部の頃と同じような穏やかな雰囲気です。
楽しみながら真剣に学ぶ、という部分は日本画コースらしいですね。

制作の合間に談笑する学生の皆さんと吉川先生(右)。


大学院への進学をご検討されている方や興味のある方は、大学院のサイトや、日本画コース大学院説明会のアーカイブ動画をぜひご覧ください。