教員紹介vol.11 久野隆史 先生

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人をピックアップし、
作品と共にご紹介していくこの企画。

第11回は、久野隆史 先生です。
今回は、1996年の作品から近年のシリーズまで、幅広く
ご紹介頂きました。
日常の切り取り方や、構図の妙、先生の作品はいつも遊び心で観るものを楽しませてくれます。ポートレイト写真も先生の茶目っ気が全開です!
日本画顔料を駆使して生み出された絵肌の質感もとても魅力的。画像では判りづらくなってしまうので直でもご覧頂きたい。京都にて10/10まで先生の個展が開催中です!
是非足を運んでみて下さい!

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久野 隆史  Kuno Takashi

 担当科目:2,3年次科目
















絵を描き続けられることは本当に幸せなことですが、ときどき出口のないトンネルにいるようなどうしょうもなく、苦しく打ちのめされることも体験します。その逆で、こころから描き続けてよかったと、ときどき絵描冥利につきる体験もします。不器用で上手ではないのは痛感させられるばかりではあり、自分ではどれほどのものかまだよくはわかってはいませんが、描き続けて四半世紀、自分が少しずつ一歩一歩何処かへ確かに進んで来て行っているのだと感じています。


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【作品紹介】





「天井シリーズ その1」
1996年
182×182cm


卒業後しばらくは、呉服工房で働きながら私小説的な題材を描いていました。体力には自信があってもいつもいつも不安で手探りな20代後半でした。







「うてなシリーズ −浮き立つうてな−」
2003年 
130×162cm

地図や構造物を思わせるような織りなす網目状の集積で、不確かなものの存在やあやうさを造形的に表現していた頃の作品です。






「只只」
2013年
130×162cm

夏の終わりにいつもきまって同じところに咲く高砂百合。その姿に移ろいゆく時間と空間を感じました。






「ある日夢見た」
 2013年
 45.5×43cm

時間を忘れ夢中にさせてくれた模型飛行機。プロペラを指でぐんぐん回し撚りをかける。そっと地面に置き手を離すと針金の先についたちゃっちいタイヤが地面をがたがたと走り出し浮上していく。望む遠い向こうをほんの少し感じさせてもらいました。








「昼下がり」
2013年
21×22cm

日常のたんたんとした風景が面白い。
青黒い大きな丸い塊から「ぱかっ」と現れる西瓜の色は、何度見ても「はっ」とさせられます。






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【プロフィール】



久野 隆史 (クノ タカシ)



1966年 京都市に生まれる

1990年 京都市芸術短期大学 専攻科日本画コース終了

以後、個展を中心に発表  無所属