教員紹介vol.14 伴戸 玲伊子 先生

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人を
ピックアップし、作品と共にご紹介していくこの企画。


第14回は、先日まで開講されていた東京・剥製スクーリングに
もご担当頂いた
伴戸玲伊子 先生です。
今回、先生のこれまでの制作の変遷が伺える5作品をご紹介頂きました。
先日、本ブログでもご案内したように先生の個展が現在開催されていますので、

皆さん是非、会場で直に作品をご覧になってみて下さい!!

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 伴戸 玲伊子  Bando Reiko
 担当科目:1,2年次科目















小さな水の流れは やがて川となり、海に至る。
霧となって満ち、雨となって降りそそぎ、大地を潤す。
…水は姿を変えて世界を循環し、文化や風土を育んでいます。
人間もまた、その大きな水の輪の中に生かされていると言えるのかもしれません。
私は水をめぐる風景に普遍的な美しさを感じて制作しています。



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【作品紹介】




「いびつなかたちをした土地」(2000年/F150号)



社会人1年目、多忙と焦燥の中で描いた風景作品です。無意識に求めてきたものと意識的に学んできたことが、自然に結びついてできた初めての作品です。






「記憶の雫」(2008年/F150号)




1つの場所を2つの視点(時間的視点、空間的視点)から捉えようと試みました。多様な視点を含むことで、場はより複雑になり 画面は自由になります。空間の核心に存在するものを描き出したいと思い制作しました。






「Holy Water」(2011年/116.7×321.2㎝)


ある神社の禊川で朱塗りの楼門が水面に反射し、周囲を朱く染めていく光景に出会いました。それは私にとって日本の美の源泉に触れるような清々しい体験であると同時に、水の力や絵画の役割を考える契機となりました。







「月光譚」(2013年/116.5×546㎝)



水にまつわる複数の場所のスケッチを構成し、複合的な水の原風景を創作しました。水の叙事詩を紡ぐように時間や空間を繋いでいけたなら、水や時や命の循環を描き出せるのではないかと考えて制作しました。








「春あさみ」(2014年/S50号)

椿は古来より神性を宿す樹木として知られ、日本の文化に深く根差した植物です。強い生命力と凛とした美しさを併せ持つ椿に、再生や復活の願いを託して制作しました。現在も継続して取り組んでいるテーマの1つです。




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【プロフィール】


伴戸玲伊子  (バンド レイコ)

1974年 京都市生まれ
2000年 女子美術大学大学院修士課程美術研究科日本画領域修了
2000年 創画展 00~04,08,13~以後出品/創画会賞受賞00
2002年  「RAM-伴戸玲伊子・奥村美佳・藤倉明子-」(ギャラリー和田、河原町画廊、他)
        ~以後03,04,05,07,
2005年 文化庁新進芸術家海外研修員(1年派遣/アメリカ合衆国ニューヨーク)
2007年 個展「水のほとり」(佐藤美術館、河原町画廊)
2008年 個展「Holy Water」(粟津画廊)
        DOMANI明日展2008‐未来を担う美術家たち-(新国立美術館)
        Ma-New Traditions in NIHONGA(Dillon Gallery/ニューヨーク)~09,
2009年 個展「in the river」(ギャラリー和田)
        VOCA展2009‐現代美術の展望‐(上野の森美術館)
2011年 個展「流線形の旅」(ギャラリー和田)
2012年 個展(そごう横浜店、西武池袋店、そごう神戸店)
        第5回東山魁夷記念 日経日本画大賞展(上野の森美術館)
2013年 個展「moon light flow」(ギャラリー和田)
2014年 個展(西武高槻店)
2015年 個展「月光譚」(ギャラリー広岡美術)