教員紹介 vol. 7 木下千春 先生

毎回、本学通信日本画コースの教員お一人をピックアップし、
本ブログ上で作品と共にご紹介していくこの企画。
第7回は、木下千春先生です

東京・外苑キャンパスでの模写スクーリングをご担当頂いています。今回、先生ご担当の模写、古典技法が咀嚼されて、ご自身の表現にしっとりと落とし込まれた5作品をご紹介頂きました。
重ねられた薄いシルクの透明感、“生”で拝見したい!!
木下先生が講師としてご参加の、佐藤美術館ワークショップ開催に伴い、8/5、6の2日間
先生の作品が展示されています。是非、直でもご覧下さい。

より詳しい情報を知りたい方は、木下先生のホームページ

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木下 千春  Kinoshita Chiharu
 担当科目:2年次科目(東京)



















内向的だったため絵の道に進んだので、こうして教員として長く勤めさせ
て頂けるとは思いもよりませんでした。
技術だけではありませんが日本画は技術を習得することによって表現の幅
も広がると、つくづく感じています。
日々、日本画の古典技法を用いつつ新しいものをつくろうと思っていて、
日本画材の使い方、写生の意義を考えながら自分の中の叙情性を素直に出
すよう制作しています。


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【作品紹介】 


流金魚」 2014年 455×380mm

薄いシルクを2重のレイヤーにして描いています。水中を泳ぐ金魚には何が見えるのでしょうか。優雅な尾びれの動きに感動して、シルクの美しさを活かしつつ画面が流れるように描きました。





平成武蔵野図」 2010年 530×455 mm


江戸時代の絵画に興味を持っています。中でも武蔵野図は私の好きな図像で装飾的でありながら、叙情性も感じられます。決して写実的ではないですが、武蔵野の野原の情景が思い浮かぶのは日本人の感性あってのことと思うのです。






「瑠璃色の池」 2009年 910×727 mm

近所の睡蓮の池を取材しました。そこは私にとって落ち着く場所であり、自然の木霊が聞こえるような場所でもあります。
残念なことに今は睡蓮がなくなってしまいました。こうして私なりの感性で絵に残せてよかったと思います。







まどろむ」 2005年 2250×1800 mm


日本はどこにでも銭湯や温泉があります。風景を取材した後には現場の近くの温泉に立ち寄っていましたが、お湯は取材で疲れた身体や心を癒してくれました。「湯治場」とも言うようにその効能から病を避け、福を招来するものとして奨励されていたようです。神が宿る湯…。癒せるものを描きたい、その安堵感をそのまま表現できればと考えてこの作品を描きました。







曙桜」 1999年 2250×1800 mm


印旛沼のそばの里山を取材しています。湿地帯ということもあり、朝日が上がる短い時間、霞が立ち幻想的な風景が広がります。
桜の時期の気温差のある晴れた明朝、という貴重な一瞬。金色と桜色の霞みに包まれる里山の光景は神々しいの一言です。



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【プロフィール】

木下 千春 (きのした ちはる)

2000 春の院展, 院展 (初入選)
2004 臥龍桜日本画展  (入選)
            新樹会 日本橋三越 ('04~'07)
2007 αバンクアートギャラリー 個展
2009 みゆき画廊 個展 ('12)
2010 采の会 松坂屋
2011 Hireher Dorthin-「こちらへ あちらへ」展 (団DANS) ドイツ文化会館 / ドイツ大使館(日本)
2012 FrederickHarrisGallery 展(Tokyo American Club)
2013 ~小さなミュージアム~「0 ZERO号の世界展」春 , 仙台三越(宮城)  夏   / いつき画廊(東京)
2013 「"Energy for us"~えねるぎぃふぉあす~」展  / 代官山ヒルサイドフォーラム
2013 「Dandans,Japanese Emerging Artist」 Browse&Darby Gallery  / イギリス/ロンドン
2014 「A Collective of Japanese Emerging Artists」(von Zanthier & Schulz法律事務所展) / ドイツ/ベルリン
2014 「絹に描く~透かしの効果~」展 東京農工大学科学博物館 /  シャルドンネギャラリー
2014   光画廊 個展

2015 「Dandans-Une nouvelle generation d’artists japonais」(次世代日本人アーティスト展)  /  フランス/パリ

※木下先生ホームページ → こちら