教員紹介 vol. 8 長谷川雅也 先生

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人を
ピックアップし、作品と共にご紹介していくこの企画。


第8回は、長谷川雅也先生です。
長谷川先生の作品と言えば、
今の季節にもピッタリな背景の鮮やかな空色が一つ特徴的ですが、今回も爽やかさの中にも深い趣のある5作品をご紹介頂きました。

京都でのみご担当頂いていますが、外苑キャンパス受講の学生の方も、作品は先生が所属されている日展などでご覧になったことのある方は多いのではないでしょうか。
現在も、日本橋三越本展にて個展を開催されています。皆さん是非会場に足を運んでみて下さい!

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長谷川 雅也  Hasegawa Masaya
 担当科目:京都 3年次科目

















絵に向かう時、心を通わす存在には動植物や静物に関わらず、艶やかな時を経た後の姿に心惹かれ感動し、心の内に浸る。心の所在は、最盛期を過ぎた花の様に抜けゆく色や潤いの如く、喪失感に帯びている様に思え、人や日常に秘める内と外、光と影に翻弄される心を作品に投げかけてきた様に思う。感動を実感し一心に絵肌に投げかけて行きたい。



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【作品紹介】






「隙」(2011年)F40号


心の行方は紙一重。一瞬にして移り変わる。人の歩み行く先は、予想をもしない事態に
巡り会い翻弄される。






「鴨川・五条大橋」(2012年)F80号



子供の頃より馴染みのある鴨川五条大橋は、年月を経た石組みと橋の直線に川の流れの曲線が優しく美しい。そこに佇んでいると、無心に過ごした懐かしい日々に誘ってくれる。







「朦朧」(2009年)F100号



朦朧とする意識の中、その瞳は力なく定まらない焦点が命の灯火を見つめ
ている様に思えた。






「唖然」(2014年)変形120号



時に思わぬ事態に遭遇する。唖然と遠くを見詰め、時の流れに抜け道の斜光を探り出す。








「脈動」(2011年)P150号「隙」(2011年)F40号




脈々と受け継がれる生命。時に途切れ命の危機にさらされる事があるかも知れない。そんな中でも残された命が生命の灯火を燃やし、復活を成し遂げるであろう。ひとときの悲しみをバネに、人は強く生き抜いて行くであろう。






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【プロフィール】


長谷川 雅也 (ハセガワ マサヤ)



1974 京都に生まれる。
1998 第30回日展(’02以後出品、’04 ’06特選、’11審査員)
1999 臥龍桜日本画大賞展(’00優秀賞、’03大賞)
2000 第6回松伯美術館花鳥画展優秀賞
2001 京都造形芸術大学院修了。
         第36回日春展(’02以後出品、’02’05日春賞)
2002 第4回雪舟の里総社墨彩画公募展特選
2005 個展(佐藤美術館)
2009 第1回京都日本画新展(美術館「えき」KYOTO)
2013 日本画こころの京都(京都文化博物館)
2015 琳派400年記念 現代作家200人による日本画 工芸展 京に生きる琳派の美。
         個展 長谷川雅也 日本画展(近江商人博物館)

現在 日展会員、京都日本画家協会理事、晨鳥社所属。