教員紹介vol. 9 森下智子 先生

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人を
ピックアップし、作品と共にご紹介していくこの企画。


第9回は、森下智子
先生です。
京都でテキスト課題の添削のみ現在はご担当頂いておりますので、

なかなかご本人に直接お会いする機会はないと思われますが、
先生の作品は「どんな筆使ってるの?」と思わず聞いてしまうほど
緻密に描き込まれた羽が印象的ですので、機会ありましたら是非、
作品を直にご覧になって頂きたい

今回は、先生の近作と、そこに至るまでを伺えるような学生時代の作品を含む
5作品をご紹介頂きました。

--------------------------------------------------------------------------- 



森下 智子  Morishita Satoko
 担当科目:1年次科目


















道端に落ちていた蝶の翅が、あまりに美しかったので、ガラス瓶に保存した。
「こんなに美しいのは、なぜだろう」「死後の姿に、私は何を見ようとしているのか」
ガラス瓶の中の翅は、浮いているように見えた。
現実からするりと抜け出して、死後の世界のことを教えてくれるようだ。



--------------------------------------------------------------------

【作品紹介】





「サンプル」 2014年 F4号


「死後の生」を見るためのサンプルとして描きました。







「サンプル」 2014年 F4号


人は死んだら一体どうなるのだろう。
地獄、天国、幽霊、次は何に生まれ変わりたい、など・・・。
私たちが日常で、しばしば考える「死後の生」のサンプルとして、
この作品を描きました。







「サンプル」 2014年 F4号


繰り返す月の満ち欠けと、蛹が蝶になるため、
一旦どろどろになって体を作り変えることに「再生する姿」を見ました。
とりわけ夜の蛹の姿は、臨月の妊婦さんを思い起こさせ、
神秘的な光を孕んでいるかのよう。









「明日また飛び立つために」 2011年 F120号



蝶が飛び立つたび、鱗粉が舞い散る。
まるで、生命力が目に見える形となったかのようだ。 
羽ばたきながら死に向かい、明日また生きるために飛び立つ。
生きるとは何か、教えてくれる。









「めばえ」 2007年 F50号



学部生の頃の作品で、観覧温室の昆虫のように奇妙な植物たちを題材にしています。
異種混合した生命体が、羽化するイメージです。







--------------------------------------------------------------------

【プロフィール】



森下 智子 (モリシタ サトコ)


1982年  熊本県人吉市出身
2008年  京都造形芸術大学 芸術学部美術・工芸学科日本画コース 卒業
2010年  京都造形芸術大学大学院 修士課程 芸術研究科 芸術表現専攻 修了

—主な展示—
2008年  京都造形芸術大学アートオークション「A-CTION」入選 
2009年「第3回 三菱アート・ゲート・プログラム」入選 (三菱商事ビル / 東京)同 第 8 , 9 , 14回
         「DO YOU KYOTO?」アートオークション 入選 (高島屋 / 京都)
2010年  三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社主催 第2回チャリティー・アートオークション 「未来の巨匠たち」 入選 (メリルリンチ日本証券株式会社 / 東京 )
2011年  朝日新聞厚生文化事業団主催「Next Art展」入選
              第5回トリエンナーレ豊橋 「星野眞吾賞展」入選 (豊橋市美術博物館 / 愛知)
2013年「ワンダーシード2013」入選 (ワンダーサイト本郷 / 東京)
            「山梨ワイン&アートオークション」入選(寺田倉庫株式会社本社ビル / 東京)
2014年「ここで日本画を学びました。」出品 (京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ)
   「月のアート展 vol.9」入選 (けいはんな記念公園ギャラリー月の庭 / 京都) 
2015年  美術新人賞「デビュー2015」入選 (フジヰ画廊 / 東京)
            「ART AWARD NEXT Ⅲ」入選(東京美術倶楽部  東美ミュージアム)