教員紹介vol.15 木田久美子 先生


毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人を
ピックアップし、作品と共にご紹介していくこの企画。

第15回は、木田久美子
先生です。
京都・剥製スクーリングを中心に、テキスト課題でも幅広くご担当頂いています。
現在巡回中の創画展にて直に作品をご覧になられた方も多いのではないでしょうか。

今回は先生の1994年以降の、制作の変遷を伺える作品群をご紹介頂きました。
先生ご担当の剥製スクーリングでは作品の絵肌作りが一つの学習ポイントになっていますが、その質感、是非参考にして頂きたい5作品です!
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木田 久美子  Kida Kumiko
 担当科目:1, 2, 3年次科目




















人物を主に、中でも少女を描くことが多いです。
移ろいやすく繊細で朧気な愛らしさと心情…。
得難い一瞬一瞬を大切な時のかけらとして愛しむように画面に留められたら…
人間と人形の間のように表現出来たら…
稚拙ながらも懸命に一心に信じ描いている中世ロマネスクの聖堂壁画のような

骨太で無垢な画に憧れています。


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【作品紹介】






「家族」(1994年150F号)


植物園で寛ぐ家族をそっとクロッキー。写生を補い描きました。情感とボリューム感を出したかった時期。絵具を余り使えず、木炭・墨と胡粉に黄土、朱がほとんど。他に少しの焼いた緑青・群青など数色を用いています。







「ソネット」(2002年150F号)


初めて分割パネルを用いた画。運び出しの問題で仕方無くでしたが、大小様々な矩形にモチーフを収め合わせる面白さを知りました。







「ソネット~三月の夢~」(2003年150F号)


珍しく男の子を描いた画。花に水をやるシーンから、春の生命の芽吹きの厳かさ、静けさが出てくれるよう希いました。






「ソネット」(2005年150F号)


女性と少女の現実離れしたナイーブな雰囲気が出ればと。
フレスコ画のような乾いた絵具の質感に近付けたく、色も綺麗な発色を心掛けました。






「マルメッリャの天使」(2010 年100号F)


スペイン・カタロニア地方 山間の僻村の小さな教会に残った人物画に惹かれて私なりの天使を描ければと願った作。単純化したフォルムを探りました。




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【プロフィール】


木田 久美子(きだ くみこ)

1990年   京都市立芸術大学大学院美術研究科(絵画専攻日本画)修了
1990年   KYOTOビエンナーレ
1991年 「京展」紅賞
1992年 「川端龍子賞展」
1997年 「青垣日本画大賞展」
1992年 「上野の森美術館賞展」(~1994年)
1997年 「京都美術展」
1998年 「田中一村記念奄美日本画大賞展」
2002年 「春季創画展」春季展賞(同2013年・1990年~出品)
2003年 「創画展」奨励賞(1990年~出品)
2005年 「新鋭美術選抜展」
2014年 「平等院公募美術作品展」優秀賞