教員紹介vol.19 吉川弘 先生

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人を
ピックアップし、作品と共にご紹介していくこの企画。
第19回は、吉川弘
先生です。


現在京都で開講中の風景制作スクーリングもご担当頂いています。
今回は、先生の学生時代の作品を含む、5作品を
ご紹介頂きました。
先生がライフワークにされている、インドの風景写生を基にした作品群への兆しと軌跡が伺えるのも興味深いです!
これからテキスト風景課題に取り組まれる方は、是非参考にしてみて下さい。
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吉川 弘  Yoshikawa Hiroshi
 担当科目:3年次科目、卒業制作

















自分一人の力では一級の作品は出来ないと思います。
国内外問わず、先人の作品等から多くを学び、そして自然の美を感じ取り写生を続ける。
この当たり前の事を継続すれば作品は展開します。
探究心を持って制作を続けて貰いたいです。


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【作品紹介】





「鳥たち」 1977年 181.8x227.3cm


学部2年生よりコンドルを描き始め、この作品で5点目で4年生の夏の制作です。
写生を重ねていると、コンドルの不気味で怪奇なイメージが強くなり、躍動感を感じさせる構成で迫力のある表現を試みました。








「眺め」 1983年 162,1×260.2cm


大学卒業後2年間は思う様に絵が描けず迷っていた時期でした。そこでスタートラインに立ち返ろうと考え写生三昧の日々を送りました。家から歩いて行ける場所を探しこの眺めは近隣の工場です。松本竣介に影響された作品です。







「アジャンタ全景」 1990年 181.8×227.3cm



インドの石窟寺院アジャンタはロケーションが素晴らしく現地に4度取材に行き、アジャンタ周辺は写生を描き尽くしたと思います。この連作は数年続き飽きるまで描きました。







「遠望」 1998年 162.1×144.5cm



取材地は南インドの廃墟と化したハンピ遺跡です。この頃、命の尊さを考えさせる出来事があり風景にこの想いを込め描きました。赤い道は命の源、血の流れであり生きる証しでもあります。







「追憶」 2002年 80.3×116.7cm



最近は数年前の写生を元に制作する事が多くなりました。この作品は約30年前の写生ですが、当時どう表現すれば良いか解らず寝かして置いた風景です。今も写生は続けていますが、数年寝かして想いを熟成させる様にしています。





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【プロフィール】


吉川 弘 (ヨシカワ ヒロシ)


1981年 京都市立芸術大学専攻科修了
1983年 京都春季創画展春季展賞受賞 同’89.’94 
1989年 京展市長賞 京都美術展優秀賞 
1990年 創画展創画会賞 同’94.’95.’96
1991年 現代美術選抜展 同’95.’96
1995年 現代京都の日本画展 
1996年 創画会会員推挙 
1998年 両洋の眼展 同~2009 
2004年 日本画「京の今日」展 
2006年 京都美術文化賞 
2009年 「日本画にみる世界遺産の旅」展