教員紹介 vol.1 松生歩 先生

いよいよ本ブログ上での新企画がスタートです!!!

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人を

ピックアップし、作品と共にご紹介していくこの企画。
第1回は、やはりこの方しかおられないと思います。

松生歩先生です。
京都・東京共に、未だお会いしたことがないという学生の方はおられない
と思います。
今回は、先生のこれまでの制作の根源にあるものを伺えるような5作品を
ご紹介頂きました。
先生ご担当の人物課題、卒業制作のみならず、これから風景課題
に取り組まれる方にも、是非参考にして頂きたい作品群です!
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松生 歩  Matsuike Ayumi
 担当科目:3年次科目、卒業制作














日本画を学び始めて38年になります。
この大学に勤めさせていただくようになってからも、はや25年。
その間の自分は全然進歩していないように思えますが、絵の技術よりも、人間

というものを日ごとに深く学ばせていただいてきました。
今までの人生に、絵を描くことや文章を綴るということがなかったら、私はと

ても生きてはこられませんでした。
人間は小さく、弱いです。でも、ものを作るということは人間だけに与えられた

恩寵であり、それによって人はどこまでも強くなれると感じています。


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【作品紹介】



「浴後」 1982年 50号F

永遠の一瞬を描きたいと思いました。
グラスの氷、かげろう、咲く花、少女、それぞれの美の一瞬の交叉を
画面
とどめたいと思いました。 
一瞬をつかめたら永遠を手にしたのと同じだという意味の、禅の言葉に
れていました。 




「午後の慈光」 1983年 100号F

私にはある不思議な体験があり、それ以来、存在物は全て何ものかに愛され迎えられ

生かされているとしか 思えなくなっていました。この作品はその体験の時に出会った
形のない存在に向かっての片便りとして、感謝の気持ちを描いたものです。





「初夏の朝 本郷の村で」 1984年 150号

奈良の大宇陀町、阿騎野の風景です。
祖父が幼少期を過ごした地でもあり、祖父が亡くなる直前の病床に、
描きあ
ったばかりの作品の写真を持って行って見せたら、涙を流して喜んでくれました。
この場所には道路ができ、もうこの景色は見ることができません。 





「胸の奥に」 1988年 20号F

私たちは見えない何かに生かされている。
全ての存在の奥の奥には、心をも越えた、何か存在の核のようなものが等しく

り、 それを通じて全ての存在は繋がっている。 
そう思うたび、自然と感謝の思いが湧きあがってきます。





「気配」 2005年 50号F

奈良県桜井の山の辺の道近くの池です。
うっそうとした暗がりから、時を超えて何かが現れそうな気配にとらわれました。
非日常の世界はどこにでも口を開けて誰かを待っているのかもしれません。
聖なる静けさはいつも制作の理想です。


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【プロフィール】

松生 歩 (マツイケ アユミ)

1959年 大阪市生まれ
1981年 京都美術展大賞受賞
1982年 京都市立芸術大学日本画科卒業(1984年同大学院修了)
1983年 山種美術館賞展大賞受賞・今日の女流画家展(1998年まで・高島屋)
1986年 現代女流美術展(上野の森美術館・彫刻の森美術館・1999年まで
1987年 「咲くやこの花賞」受賞(大阪市)・「京都市芸術新人賞」受賞(京都市)
1988年 菅楯彦大賞展大賞受賞
1992年 「あの街へ・・・」松生歩展(高島屋/大阪・東京・京都)
1993年 京都府文化賞奨励賞受賞
1994年 「森の伝説」松生歩展(高島屋/大阪・東京・岐阜・米子)
2003年 「光の鍵」松生歩展(高島屋/東京・横浜・京都・大阪・名古屋)
2006年 「INWARDNESS」松生歩展(高島屋/東京・名古屋・大阪・京都・横浜)
2011年 「Origin」松生歩展(高島屋/大阪・京都・東京・名古屋・岡山・横浜)
2014年 京都府文化賞功労賞受賞

現在、京都造形芸術大学教授 物語や詩と絵画作品を組み合わせた個展などを中心に活動