教員紹介vol.25 表地久美子 先生

毎回、本ブログ上で本学通信日本画コースの教員お一人を
ピックアップし、作品と共にご紹介していくこの企画。
第25回は、
表地 久美子先生です。

京都・人物スクーリングをご担当頂いています。
今回は1997年以降の先生の作品の中から5作品を、描いていた当時の心の内を顧みるコメントとともにご紹介頂きました。
常に自然体な、先生のお人柄の魅力が溢れ出ています。
頂いたご紹介内容の一連の流れに、学生の皆さんへ向けた優しいメッセージが込められているように思えました。


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表地 久美子  Hyouchi Kumiko
 担当科目:3年次科目

















のうてんきな子供だった私は、絵を描くのが好きだし、どちらかというと油より水彩かなぁ?などと、どうしようもなくいい加減な理由で、日本画科を選択して学校に入学してしまいました。
そんな私でしたが、かれこれ30年以上も日本画の画材を使い続けているとは...
絵を描く喜びも、苦しみも、そこから始まったのかと思うと、人生ってわからないものです。(まだまだ若輩ですが...)


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【作品紹介】




「封」1997 120号変形








「淋影」2000 50号F



この頃の私は、絵の内面のことや、将来のことなど、
柄にもなく難しいことをグルグル考えすぎてヘトヘトになっていました。
描く絵はどんどん暗くなり、暗黒時代へ突入していきました。











「さくら」2010 120号F


春です。







「響春」2010 50号F


木蓮の枝ぶりはどこか機械的で、ロボットアームの枝が
鉄琴のような音を響かせながらキラキラと蠢くように思えました。










「白ばらさん」「桃ばらさん」 2014  直径8cm


桐の板に描いています。
和紙もそうですが、自然のものは手触りが暖かくて、ほっとします。







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【プロフィール】




表地 久美子 (ヒョウチ クミコ)

京都市銅駝美術工芸高等学校卒業
京都芸術短期大学(現 京都造形芸術大学)日本画専攻科卒業「瓜生賞受賞」
京都日本画家協会所属

1990 上野の森美術館大賞展入選
1992 日本画二人展(ギャラリー射手座 / 京都)
   京都新聞日本画賞展
1994 京都日本画新鋭選抜展
   個展(ギャラリー三条 / 京都)
1997 日本画三人展(京都文化博物館)
1998 日本画四人展(京都文化博物館)
1999 日本画四人展(京都文化博物館)
   個展(ギャラリー中井 / 京都)
2000 三人展(大阪セントラルギャラリー)
2010 個展(ギャラリー青い風 / 京都)
2011 前田青邨記念大賞展入選
   日本画きのう京あす展
2014 個展(ギャラリー高倉通り/ 京都)

扇上絵師として、第62回神宮式年遷宮奉納扇絵付
裏千家初釜大扇子、毎年図案絵付

現在は、自身の作品制作をしながら、
扇、桐箱、神仏具建築彩色など、彩色絵師として活動しています。